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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年04月10日

バイブル

これは最近の本ではありませんが、
私のバイブルです。

「21世紀に生きる君たちへ」
司馬遼太郎さん(以下、敬省略)が
小学校6年生の教科書に書いた文章です。
1989年の教科書です。
実は、私が6年生だった年です。

大阪書籍で出している教科書なので、
群馬にいた私は小学生時代にこの文章に接することはなく、
ずっと大人になってから出会うのですが、
この文章に出会ってから、これが私のバイブルになりました。

私の中にある大きなキーワード、
「自然」、「子ども」、「未来」、「永遠」
の源かもしれません。

子どもたちに語りかけるように書かれた文章を少し抜粋します。

「私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
未来というものである。」

「昔も今も、また未来においても変わらないことがある。
そこに空気と水、それに土などという自然があって、
人間や他の動植物、さらには微生物にいたるまでが、
それに依存しつつ生きているということである。
自然こそ、不変の価値なのである。」

「自然への素直な態度こそ、21世紀への希望であり、君たちへの期待でもある。
そういう素直さを君たちが持ち、その気分をひろめてほしいのである。」

「君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。
自分に厳しく、相手にはやさしく、という自己を。
そして、すなおでかしこい自己を。
21世紀においては、特にそのことが重要である。」

などと、司馬が大事だと思ったことが書かれています。
そして最後に、

「以上のことは、いつの時代になっても、人間が生きていくうえで、
欠かすことのできない心構えというものである。
君たち。
君たちはつねに晴れ上がった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。
同時に、ずっしりとたくましい足どりで、大地をふみしめつつ歩かねばならない。

私は、君たちの心の中の最も美しいものを見続けながら、以上のことを書いた。
書き終わって、君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた。」

と結んでいます。

司馬遼太郎は、この文章を書き終えたとき、
「長編小説を書くほどのエネルギーがいりました」
と話していたそうです。

上記の細切れの抜粋では、
この文章の本質を感じ取ることができないかもしれませんが、
司馬が多大なエネルギーを使ってこの文章を書いたことがよくわかります。
ひとつひとつの言葉を選び抜き、伝えたいという気持ちが前面にでた、
素晴らしい文章だと思います。

それまでにも、司馬遼太郎の本は好きでけっこう読んでいました。
「竜馬がゆく」「燃えよ剣」なんかは特に好きで、よく読んでいました。
でも、司馬遼太郎が好きというわけではなく、
どちらかというと、市井の人々に目を向けた藤沢周平なんかの方が
好きだったかもしれません。

でも、この文章に出会ってから、
司馬が本当に書きたかったこと、
伝えたかったこと、
伝えるために書いてきたことが
なんとなくわかる気がして、
今までとは違った感じで好きな作家になりました。

私はこの文章に、司馬遼太郎記念館で出会いました。
この文章は司馬遼太郎記念館の基調になっていて、
地下一階の大書架の壁面に、この文章を印刷した額がかかっています。
そこで、上の写真の、日本語バージョンと英訳つきのバージョンの2冊の本を買いました。

司馬遼太郎記念館は大阪にあるのですが、
中心地から離れた東大阪市にあり、最寄り駅は八戸ノ里駅です。
駅から記念館までの道は、菜の花がずっと植わっていて、
菜の花が道しるべとなって、館まで導いてくれます。

菜の花は、司馬が好きだった花だそうです。
好きな花から、人柄がわかる感じがしますね。

それほど長い文章ではありません。
子どもでも読める文章です。
「洪庵のたいまつ」「人間の荘厳さ」という文章も同時に掲載され、
誰でも手に取れるように、書籍化されています。

よろしければ、一度お手にとってご覧ください。


今日は、とても暖かで、春らしい日です。
桜がきれいに咲いています。
菜の花もきれいに咲いています。

ココロが和らぐ、気持ちのよい日です。

                     


Posted by とちの実 at 15:30Comments(0)徒然なもの