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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年07月07日

道楽と職業。

よく覗いているブログに、私のブログのことが書いてありました。
日光で和菓子屋さん、群馬で陶芸をし、
休むことなく動き回っている”りらさん”のブログです。

私が以前書いた、「限られたエネルギーをどう使うか」という文章に
呼応した記事をのせていらっしゃいました。

それを読んで、私は、
夏目漱石の『私の個人主義』という本の一節を思い出しました。

「己を捨てなければ立ち行かぬように強いたり、
または否応なしに天然をまげさせたりするのは、
まずその人を殺すと同じ結果に陥るのです」

と。

『私の個人主義」は、夏目漱石が、明治44年、
漱石が45歳の時に講演したものをまとめたものです。
漱石は50歳で亡くなったので、死ぬ5年前の講演のものです。

その中の、「道楽と職業」という講演の中の一節です。

題名からして面白いです。

上の一文は、私が意図的に取り上げた文章で、
ある意味、漱石の言わんとしていることを象徴した文章ではありますが、
主旨や全体像ではありません。

「道楽と職業」について大雑把にとりあげると、
「己のためにする仕事」=道楽
「人のためにする仕事」=職業

でも、己のためにすることによって、
それが偶然人のためになって、
人に気に入っただけの報酬が物質的に自分に反響してくる仕事もある。
と漱石は書いています。

そんな仕事がしたいと思うけれど、
漱石曰く、それは”偶然”なのです。

先日会った友人が言っていました。
「ライフワーク」と「ライスワーク」があると。

意味はそのまま、
「生活としての仕事」と「食べるための仕事」。


やりたいことがある。
でも、時間がない。
睡眠時間を削って、まわりに迷惑をかけていても、
それでもやりたいことがある。

ある人から見たら、
「そこまでしてやりたいことがあるっていいよね」
と思われるかもしれない。

ある人から見たら、
「そこまでしてやらなくてもいいんじゃないの?」
とも思われるかもしれない。

でも、やるのが自分なのです。

限られたエネルギーを己のために使いつつ、
それが、”偶然”にも人のためにもなる。
そして、報酬にもなる。

そんな”道楽的職業”に、みんなが就けたら、
社会に閉塞感なんて生まれないんだろうなと思う。

でも、すべての”偶然”は”必然”だと思います。

「なぜ自分の気持ちがそこに向かうのか」
それは、偶然ではなく必然です。
それを偶然だと思って違う方向に進むというのは、
「己を捨て」、または「否応なしに天然をまげ」ることであり、
「まずその人を殺すと同じ結果に陥る」のです。

じゃあ、「己を捨て」ずに、「(己の)天然をまげ」ることなく、
やりたいことをやればいいのか、というと、
それもちょっと違う気がします。

自分自身が「己を捨て」ずに、「天然をまげ」ることなく仕事をするために、
家族や他の人が「己を捨て」、「天然をまげ」ることになってしまうのならば、
それは、自分だけが生き、相手を殺すことになってしまいます。

私たちは、社会という、多くの人との関わりの中で生きています。
自分も生き、他者もともに生きる道があるはずなのです。
自分が生きることが、他者のエネルギーになることもあるのです。

「循環」という驚くべきバランスをもった自然界のように。。。

アインシュタインが、
「この秩序だった世界を証明するなら、神という存在を否定できない」
というようなことを言っていた気がします。

科学者であった彼が、世界をつぶさに見ていけば見ていくほど、
すべてのものが秩序だっていて、奇跡としかいいようがない、
これらは作ろうと思って作れるものではなく、
神の存在を信じないわけにはいかない、
という内容だったように記憶しています。

”神”という実体のないものを
最も否定する立場の科学者の彼がそう思ったのです。

私たちは、科学では解明できないほど、
奇跡のようなバランスを持った地球という場所に住んでいます。
でも、今は、そのバランスを失いかけているのかもしれません。

それは、私たち、人間同士も一緒のような気もします。

「人間と仕事」の関係も同じかもしれません。


「道楽と職業」。
命題です。
自分の黄金バランスは、やっぱり自分しかわからないのです。

ちなみに、漱石の文章に関しては、私が主観的に解釈したので、
興味のある方は、ぜひ原典をお読みください。。

  


Posted by とちの実 at 10:28Comments(2)徒然なもの