2010年08月22日

『かけがえのないもの』

このところ、私のバッグに入っている本の題名です。

養老孟司さん著作:『かけがえのないもの』です。

ここに、聞き捨てならない文章がありました。

「田舎が世界に移り、日本全体が都市になってしまった。
こういう環境になると、明らかに女の人の方が損をします。」

と。

女性が損をするですって?!

その理由として、
「いくら都市化しても、本来人間が持っている自然は、女性のほうに強くあらわれる。
そして、”ああすればこうなる”でいかない自然を持つ女性が
どうしても割を食うことになるわけです」

と。

現代は、”女性が損”をして、”女性が割りを食う社会”だとおっしゃるのです。
聞き捨てなりません!!

養老さんの本はほとんど読んでいますが、
彼が著作を通じていつも書いているのは、
現代が「都市化した社会」だということです。

そして、「都市化とは自然を排除すること」だと書いています。

なぜ自然を排除するようになったのかというと、
自然は、予測不能であり、
人間がコントロールできないからで、
人間にとって、自然というのは、
美しいだけでなく、恐ろしいもの、不気味なもの、醜いものも含んでいて、
人間の意思ではどうにもできないからであると。

だから、人間の意識は、自然は”嫌だ”と排除してしまうんだそうです。

そして、そうやって出来上がってきたのが、
現在の「都市化」された社会なのだというのです。

確かにそうかもしれません。

冒頭に書いた、
女性が損をし、割を食うというのは、
養老さん曰く、

「都市ができると”女・子ども”という概念ができて、
女・子どもというのは、基本的により自然に近い人である。

女性は、月経・妊娠・出産があり、高層ビルで働いていても、
おなかが大きくなるのは避けられない。

男性は女性ほど左右されない。
それがおそらく都市化の中での
男性中心社会の基本的な始まりであったと思われる。」

と。

規則正しく、予定通りにコトが運んでいくのを前提に作った人間のルールは、
自然には通用しません。
それじゃ経済は回っていかんと、
自然を排除してきたわけですが、
そんな社会はもう行き詰っているのだと思います。

「女・子どもは勝手だ」なんていう人がいますが、
確かに自分の都合で変化するので、勝手かもしれませんが、
見方を変えれば、自然なだけなのです。

人間は、自然の一部なのです。

この本の中では、
「輸出入に頼って暮らすことも、都市のやり方だ」
と書かれています。

”ああすればこうなる”
つまり、
”お金を出せば買える”
という感覚。

私たちの生活にずいぶん染み付いてしまっているような気がします。

でも、これからは、
”ああすればこうなる”
から、
”ああすればどうなる?”
へ、
だんだんと変わっていくのかもしれません。

先が見えた方が安心するけれど、
わからないから人生が面白いってこともあります。


都市化が男性中心社会の始まりであるなら、
女性が中心になって社会に働きかけていくことが
”自然化”の始まりになるのでしょうか??

別に、”女性中心社会”の到来を待ちわびているわけではありませんし、
女性の地位向上を求めているわけでもありませんが、
自然を取り戻していくために女性の力が必要なのであれば、
がんばらにゃーあかんな、と思ったりしています(笑)。

ちなみに、
ブータンなんかの自給自足をしている村へ行くと、
財産なんかを相続するのは女性で、
男性は出たり入ったりするだけなんだそうです。

権力とかそういうことじゃなくて、
自然の理として女性が中心に回っているのかもしれません。

女性が割りを食う社会から、
女性が笑い食べる社会へ。

女性のみなさん、がんばりましょー(笑)。

男性のみなさん、サポートよろしくお願いします。。

でも、たぶん、そんな社会の方が、
楽しいんじゃないかと思ったりしています。。


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Posted by とちの実 at 11:24│Comments(0)徒然なもの
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