2010年04月13日

みそぎの時間

昨日、髪の毛を切りに行ってきました。

栃木県益子での修業時代からお世話になっている
「島崎サービス」さんのところです。
益子にお店があるので、以前はそちらに伺っていたのですが、
月に2回ほど群馬に来てらっしゃるので、
群馬に戻ってからはその時にお願いしています。

だいたい、2~3ヶ月に一度のペースで切ってもらうのですが、
私にとって、島崎さんに切ってもらう時間は、とても大事な時間です。


今回の私のオーダーは、
「みずみずしい感じにしてください。
新芽が出た感じで、やわらかいけど生命力の強さを感じるふうにしてください」

普通の美容師さんなら
「へっ!?よくわからないんですけど、カタログの切抜きとかないんですか?」
なんて言われそうな注文ですが(苦笑)。

でも、島崎さんは、「うん、なるほどね」と言って、
私をじっと見て、切ってくれます。
そして、私の感覚的なオーダーを、
「俺から言わせれば、すごいわかりやすいよね。よっぽど具体的だよね」
と言って切ってくれます。

「”みかん”じゃなくて、”オレンジ”な感じにしてください」
「”トマト”じゃなくて、”レモン”な感じにしてください」
「あったかい中にも凛としたものを感じるようにしてください」

私のオーダーはいつもこんな感じです。
でも、島崎さんには通じるのです。
そして、切り終わってみると、やっぱりそんな感じになるのです。

私のオーダーや、オーダーの仕方、
お店に入ってきたときの表情や、鏡に向かう姿勢から、
”今の”私が求めている髪型、”今の”私に似合う髪形、
つまり私らしい髪型がイメージできるんだそうです。

だから、私は、鏡の前に座って、
偽りない自分をさらけ出して、
信頼しきって、
チョキチョキと切ってもらいます。

でも、こういう感覚で美容院に行くようになったのは、
「島崎サービス」さんに出会ってからです。

それまでは、”ファッション”や”身だしなみ”が目的で、
カタログの切り抜きなんかを持っていっていました。
”自分ではないキレイな誰か”になろうとしていたのかもしれません。
(男性の方にはわからない感覚かもしれませんが・・・)

でも、髪を切ったところで、私は私なのです。


以前、島崎さんにどんな感覚でお客さんの髪を切っているのか
聞いたことがあります。
その答えは、
「その人にとって不要なものを切り離していく感じ。
余分なものをとって、その人の本質的なものに迫っていく感じ」
とおっしゃっていました。

生きていると、知らず知らずのうちに
”垢”がついたり、汚れたり、色褪せてきてしまうものがあります。
余分な荷物を背負って、どうでもいいようなものに囚われて、
動けなくなってしまうときがあります。
そして、それに気づかない自分がいたりします。

でも、島崎さんに切ってもらうことで、
島崎さんと会話をすることで、
不要なものをそぎ落とし、”本当の”自分を呼び覚ませる感覚があります。

考えてみたら、大きな鏡に向かって1時間以上自分を見つめることなんて、
髪の毛を切ってもらうときくらいです。
まさしく、素の自分と向き合う時間なのだと思いました。
そして、これからの自分の方向性を確認する大事な時間なのだと思いました。

自分の思う方向に行くためには、
余分な荷物はないほうがいいのです。

私にとって、髪を切ってもらうという行為は、
自分を仕切りなおすための、”みそぎ”なのです。


また、新しい気持ちで、スタートです。


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Posted by とちの実 at 02:55│Comments(0)徒然なもの
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